ついにやって来ました。
ある意味、時期的にちょうどいい。

トランスモーファー [DVD]トランスモーファー [DVD]
(2007/11/23)
グリフ・ファース
トエイミー・ウェバー

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個人的な評価
★★☆☆☆

―あらすじ―
人間と宇宙ロボットの壮絶なバトルを描くSFアクション。2000万光年彼方の惑星で発見された謎の生命体。人類は平和と友情のメッセージを送るが、戻ってきた返答は「宣・戦・布・告」だった。地下に逃れた生存者は、侵略者に存亡を賭けた戦いを挑む。

本作は2007年に公開されたSF映画です。
この作品はみんなが大好き便乗したモノであり、オリジナルはもちろん『トランスフォーマー』です。
ただ、オイラが贔屓するアルバトロス・フィルムじゃなく、アットエンタテインメントが配給元となっています。
こうしてみると、世の中には多くのB級映画を提供してくれる配給会社があるんだなと分からせてくれますね。
さて、オイラの中で『トランスフォーマー』は大ヒットしていて、壊し屋で有名なマイケル・ベイが監督、スティーブン・スピルバーグが製作と豪華。
あれだけの映像は『マトリックス』以来の革命であり、続編の方もスケールアップして世界で大ヒットしている。
そんな中でオイラはこの『トランス“モーファー”』を鑑賞しているという好き者にもほどがあります。
とりあえず、タイトルの意味はほとんど変わらないし、何より原題も同じなので確信犯で本作を作っている。
それじゃ内容についてですが、2000万光年彼方の惑星で発見された生命体に人類は平和と友情のメッセージを送った。
しかし、返ってきた答えとは侵略であり、機械生命体がやって来た2014年に人類の9割が死滅し、生き延びた者たちは100年間地下に隠れていた。
だが、ついに人類は地球を取り戻すべく機械生命体に反撃を試みようと反逆者として冷凍監獄にいたミッチェル大尉とイッチー中尉を復活させる。
便乗しちゃっている『トランスフォーマー』とはまったく違い、舞台は地球の未来世界となっているので、物語自体は別物となっている。
さて、冒頭でいきなり機械生命体のCGが登場しますが、もの凄く脱力感を与える映像となっています。
このような類の作品を見慣れている人間にとって驚くようなモノじゃないが、知らない人だともの凄く驚くでしょう。
特に本家の『トランスフォーマー』と間違って借りた人なんかは、阿鼻叫喚という言葉が似合うでしょう。
ショボイCG映像とナレーションで地球がどうなったのか説明したあと、いよいよ地下にいる兵士たちの反撃作戦に移ります。
まあ、兵士みたいな方々は「敵をぶっ殺すぜ!」という典型的なヤツらがいて、そこに作戦の命令を下す上官がやって来る。
そこまではいいんですが、作戦は敵の機械生命体を捕らえるのが目的だと説明するタディッシュ博士という年増のギャルが痛いです。
というより、全体的に本作の女性たちは厚化粧というか、なんだか時代遅れのギャルメイクをしている時点でアウトでした。
唯一マトモなのは軍事局の女性将軍ですが、雰囲気だけは頑張っているが、如何せん見た目が強がっている女性にしか見えないのが残念すぎる。
毎度ながら出演者たちの役作りの甘さはヒドイけど、本作は今まで観た作品の中でも相当ヒドイと感じました。
予算がないのでショボイCG映像は仕方ないと諦めるし、レーダーみたい映像が専門学生の作るヤツよりもショボイのもしょうがない。
だけど、せめて出演者だけでもなんとかして欲しいのですが、出撃した部隊がそこら辺の一般人にしか見えない事や時代遅れのギャルメイクはさすがに厳しい。
で、鑑賞していると本作の雰囲気は『マトリックス』で言う仮想現実世界じゃなく、現実世界をパクっていると感じます。
ベースこそは『トランスフォーマー』なんですが、地下に潜っている人類や地上で繁栄する機械生命体の都市なんかがまさに『マトリックス』の世界です。
それと未来世界で反逆者となった人間はなぜ冷凍刑に課せられるのか、保存する意味があるのか、それを語らないまま普通に主人公と言えるミッチェル大尉が復活する。
この場面はなんだかシルヴェスター・スタローン主演の『デモリションマン』のシーンから流用しているが、こちらはショボイのは言うまでもない。
冒頭で本家の『トランスフォーマー』でオプティマス・コンボイの吹き替えをしている玄田哲章のナレーションがありました。
まあ、特別にそこだけナレーションをしたと思いましたが、なんと主人公であるミッチェル大尉の吹き替えをやっている。
オイラはそこで思ったのは「玄田さん、何をやっているんだ?」とツッコミを入れてしまいました。
それぐらい驚きのあった事であり、声優ってやっぱり仕事を選べないんだなと改めて思い知らされました。
吹き替えに関して最後まで違和感がありましたし、玄田さんの重厚な声に反してミッチェル大尉役の俳優に似合っていない。
ただ、本作は普通なら男臭い物語になるけど、なんだかレディースが軍の中心になっていて、極めつけは女性将軍がレズビアンという。
一体どんなキャラクターにしたいのか分からない登場人物たちの迷走ぶりは久々にヒドイと感じました。
やっぱり、低予算で未来世界をやっちゃいけません。なぜなら不具合や矛盾があまりにも多く、物語が進むにつれて酷くなっていく。
それにパクリがあまりにも酷く、『トランスフォーマー』を始め、『マトリックス・リローデッド』、『デモリションマン』、『エイリアン2』、『ターミネーター3』などなど。
オイラが知る限り、それぐらいパクっているし、さすがは怪しさ満点のリー・スコット監督というだけあります。
本作は一般の方々にはガッカリさせられるモノですが、B級映画好きにとっては良作と言えるのでしょうね。

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話題となった作品ですね。
こういう作品もたまには鑑賞しないといけません。

モンスター  [DVD]モンスター [DVD]
(2005/05/28)
シャーリーズ・セロン
クリスティーナ・リッチ

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個人的な評価
★★★★★(熱演)

―あらすじ―
シャーリーズ・セロンがアカデミー賞主演女優賞を受賞、全米を震撼させた女性連続殺人犯をモデルに描いた話題のドラマ。身売りの常習・アイリーンは、とあるバーで同じ疎外感を抱える女性・セルビーに出会い、人生をやり直す決心をするが…。

本作は2003年に公開されたヒューマンドラマ映画です。
この作品は実在した元娼婦の連続殺人犯であるアイリーン・ウォーノスの生涯を映画化しています。
まず、本作の主人公であるアイリーン・ウォーノスについてちょっとだけ説明しましょうか。
彼女はシリアルキラー(連続殺人者)であるけど、その人生は悲惨という言葉が似合っている。
アイリーンについては何度かニュースで見た程度の認識しかなかったのですが、改めて彼女の素性を知ると悲しくなってきます。
ハッキリ言って、彼女はシリアルキラーとは言わなくても、マトモな人生を送れるような環境ではなかった。
実に救いようない人生。それがオイラの抱いたイメージであり、久しぶりにブルー(死語?)な気持ちになりました。
ただ、彼女なりにも幸せな一時があって、それが本作で描かれた唯一信頼する友達で恋人の出会いでしょう。
第76回アカデミー賞にて主演女優賞を受賞し、第61回ゴールデングローブ賞主演女優賞ドラマ部門でも受賞しています。
それを成し遂げたのは南アフリカ出身のシャーリーズ・セロンであり、本作の為に彼女は女優魂を魅せてくれました。
なんと彼女は13キロも体重を増やし、メイクにも2時間ほど費やして本作に臨んだという。
確かにあの美しいシャーリーズ・セロンとは思えないぐらいのブサイクな感じで、とても信じられないぐらいです。
どれだけ本作に力を注いだのか分かりますし、完全にシャーリーズ・セロンはアイリーン・ウォーノスに成りきっている。
もの凄く人間臭く飾り気がない女性で、とにかくアップの表情は強烈であり、言動の一つ一つに凄味はある。
あの『イーオン・フラックス』で見せたスタイリッシュさ、それと『ハンコック』で見せた愛らしさはまったくありません。
とにかく、本作ではシャーリーズ・セロンはアイリーン・ウォーノスという女性になっていて、同一人物なのかと思わせる変貌ぶりでした。
更にシャーリーズ・セロンは製作に関わっているようですので、それだけに本作への思い入れがあったかと思います。
彼女が15歳の時、酔っていた父親が暴力を振るわれ、娘の命の危険を感じた母親が父親を射殺してしまう。
母親は正当防衛であったが、多分、その事件はシャーリーズ・セロンに大きなショックを与えたと思われます。
それ以上にアイリーンの悲惨な人生はシャーリーズ・セロンにとって何か引きつけられるようなモノがあったのでしょう。
で、本作の主人公であるアイリーン・ウォーノスは2002年10月9日に薬物注射で死刑が執行されている。
人生に絶望した彼女は最初の死刑判決後にそれが望みであると語り、早く死刑が執行するように自ら働きかけたという。
もうアイリーンは自分というモノを失ってしまい、生きる望みもなく、死ぬだけを望むという悲しすぎる人間でした。
オイラとは対極的な生き方をした人間で同情はしませんが、運命とは本当に人それぞれだと思わせる。
そんな絶望していたアイリーンに訪れた束の間の幸せ。それが彼女の自殺を思い留まらせたセルビーというレズビアン。
実際はティリア・ムーアという女性ですが、本作ではセルビーという名前で登場しています。
で、そのセルビーを演じているのはメジャーからインディーズ、様々なジャンルで活躍するクリスティーナ・リッチです。
彼女もシャーリーズ・セロンに負けず、役の為に太ったと思いますが、彼女も徹底的な役作りで有名ですし。
セルビーも居候先では真面目に暮らしていたが、でも、それは本当の彼女じゃなく、アイリーンと出会った事で本当の自分を知る。
アイリーンとセルビーはお互いに傷を負った人生であり、その二人がケンカしても抱き合って泣き出す姿は本当に悲しい。
そんなアイリーンは大切な存在となったセルビーとちゃんと暮らす為、真っ当な仕事に就こうとするが、残念ながら上手く行くはずもない。
最終的にアイリーンが選んだのは娼婦の道ではなく、客を殺して金を手にするという常軌を逸したやり方。
ただ、それは純粋にセルビーを養おうとする気持ちからであるが、アイリーンの歩んできた人生では選択がなかった。
裏切れる人生だったアイリーンはセルビーとの出会いで本当の愛に目覚めるけど、育った環境が彼女の純粋な気持ちを曲げてしまう。
本作は色々と考えさせる作品であり、単純にアイリーン・ウォーノスはシリアルキラーと決めつけてはならない。
それに彼女は自分の行動は理解していたけど、自分を止めるには死刑しかない結末はなんだかやるせない。
シャーリーズ・セロンの演技はアカデミー賞主演女優賞に相応しく、久々に納得できる内容でした。

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シリーズ物の登場です。
単発の方がいいんですがね。

チャイルド・プレイ2  [DVD]チャイルド・プレイ2 [DVD]
(2007/07/13)
アレックス・ビンセント
クリスティン・エリーゼ

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個人的な評価
★★★☆☆

―あらすじ―
殺人鬼の呪いを吹き込まれた人形・チャッキーが人間を襲う。大ヒットした前作のスタッフが再結集した続編。殺人人形のイメージを改善しようとやっきになる人形会社の社長は、復元調査を試みるが人形にはいまだに殺人鬼の魂が宿ったままだった…。

本作は1991年に公開されたホラー映画です。
この作品は前作がヒットした事で、当たり前のように続編が作られています。
人形に魂を移して次々と人間を殺していく様は当時、かなり衝撃的な作品だと思います。
小さい頃に観ていれば、人形に対して確実にトラウマとなりますね。
それぐらい可愛らしい人形の表情が変わって、まさに殺人鬼となる姿は実に恐ろしい。
第一作は1989年に公開され、まだホラー映画が全盛期だった頃であり、本作もその流れを汲んでいる。
残念ながらシリーズが重なるにつれて、ホラー要素を残しつつコメディ要素が大部分を占めてしまっている。
しかも、スベリ芸しかない山崎邦正がモノマネをして、更になんと吹き替えまでしてしまうのです。
だが、まだ本作は二作目という事でホラー映画という体裁を保っている以上に怖さがありますね。
当然のように本シリーズの主人公とも言えるグッド・ガイ人形であるチャッキーは健在です。
第一作では衝撃的な登場でしたが、やっぱり第二作となればパワーアップするのが当たり前でしょう。
前作では黒こげになり、手足を拳銃で吹っ飛ばされたけど、本作の冒頭でオモチャ会社が彼を復元してしまう。
ただ、恐ろしいのは人形なのに歯茎や歯がある。それだけでも本作がホラー映画だと分かります。
どうしてもオイラは最近制作された作品の印象が強く、いつコメディタッチになるのか気になります。
ですが、チャッキーが始動するところから彼の怖さが伝わってくるのです。特に笑っている時。
あの可愛らしい表情が一気に殺人鬼の表情に変わり、恐ろしいまでに笑う姿は子供だったらトラウマになる。
今回も復活したチャッキーは前作狙っていたアンディの体に乗り移ろうと里親のところまでやって来る。
そう、前作でアンディの母親は精神病という事で病院に入院させられてしまい、本作では残念ながら最後まで登場しない。
本作では相変わらずアンディが中心となって物語を動かしますが、母親と同じく一緒に戦ってくれる心強い味方がいますね。
アンディがやって来た里親にはカイルという年上のお姉さんがいて、最初は信じていないが、最終的に彼とともにチャッキーと戦う。
さて、アンディ少年を演じているのは前作に引き続きアレックス・ヴィンセントですね。
前作では母親の為に一生懸命な少年を演じていましたが、本作ではちょっと頭のおかしい感じで扱われてしまう。
その扱われ方はあまりにも理不尽すぎる。特に彼の周りにいる大人たちはみんなして彼を責めている。
確かに人形が魂を取ると言われちゃ疑いたくなるけど、頭ごなしに否定するのはいくらなんでも演出過剰。
どんだけアンディの周りにいる人間はフラストレーションが溜まっているんだと呆れてしまいます。
そこに優しく言葉をかける同居人でヒロインのカイルを演じるクリスティン・エリーゼが登場します。
両親の顔を知らない彼女はちょっと不良っぽくタバコなんかを吸うけど、アンディにとって一番の理解者という。
孤独なアンディを助けるカイルの構図はいいのですが、それを引き立たせる大人たちのキャラクターがあまりにも都合が良すぎます。
この人間関係はオイラ的にあまり好きになれない。だけど、メインはそこじゃないので、ある程度は目を瞑る事ができる。
やっぱり、本作のメインはなんと言ってもチャッキーの縦横無尽な動きであり、理不尽な大人たちを殺すシーンでしょうね。
これはある意味、クソな大人がチャッキーの手によって死んでスッキリという演出をしているのでしょう。
里親の養父が死んだ時なんかも「ざまあ見ろ」という感じであり、養母が悲しんでも同情の欠片もありません。
その点では本作は見事に成功していると思いますし、何よりチャッキーの怖さがパワーアップしているのも悪くない。
第一作は良かったけど、本作も意外に健闘していると思いますし、何よりスッキリさせる演出はなかなかです。
コメディ路線の『チャイルド・プレイ』じゃなく、本作は正真正銘のホラー路線なのでオススメしますよ。

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|07/03| た行コメント(0)TB(0)
知らないタイトル。
それなりの良作だと思われる。

ジェリーフィッシュジェリーフィッシュ
(2009/01/09)
サラ・アドラー
ニコール・レイドマン

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個人的な評価
★★★☆☆

―あらすじ―
現代のイスラエルを舞台に、ジェリーフィッシュ(くらげ)のように人生の波に流され漂う女性たちの日常を描いたヒューマンドラマ。『アワーミュージック』のサラ・アドラーほか、イスラエルの演技派俳優が出演。カンヌ国際映画祭でカメラドールを受賞。

本作は2008年に公開されたヒューマンドラマ映画です。
この作品はハリウッドではなく、イスラエルとフランスの合作となっています。
2007年のカンヌ国際映画祭にて、カメラ・ドール(新人監督賞)を受賞しています。
で、その賞を受賞した監督はベストセラー作家のエドガー・ケシットと、児童書や戯曲の作家として有名なシーラ・ゲフェンの二人です。
内容としては三つの視点によって物語は展開されるオムニバス形式という手法となっている。
でも、普通ならそれらのバラバラな物語はどこかで交わりますが、本作はそのような事はないです。
しいて言えば、作中で登場人物たちがすれ違うだけで、基本的にはそれぞれの主人公に物語は委ねられる。
淡々と三者三様の物語が進んでいて、全体的には普通の人々に起きる普通の出来事を描いているだけです。
特に大きなイベントがあるワケでもなく、もの凄く感動するようなエピソードがあるワケでもなく、地味に物語が進んでいくだけ。
ハッキリ言って、この手の作品に対してオイラはあまり良い印象がなく、なんだか最後まで“とりあえず”鑑賞してしまう事が多い。
まあ、何度もレビューで書いていますが、オイラは基本的にど派手な映像を見せる映画好きなんです。
このように淡々とした物語、しかも普通すぎるモノを見せられても「だから?」という冷たい感じになってしまう。
そんな本作はオイラの期待をまったく持たせてくれない物語であり、やっぱり“とりあえず”鑑賞するという感じです。
一応、内容はオムニバス形式で進むので、それぞれの物語についての簡単なあらすじを書いて行きましょうか。
一つ目は何をやっても上手く行かない人生に不器用なバティアという女性。
彼女は結婚式場で働くウェイトレスで、自分の気持ちをハッキリと伝えられない弱気な女性。
バティアはそのせいで恋人と別れてしまい、職場では上司に怒られ続け、アパートの部屋は天井から水が漏れたまま。
家賃を払うだけで精いっぱいであって、募金イベントで忙しい母親にも頼れない厳しい毎日を送っていた。
そんなバティアはある日、海辺で浮き輪をつけた一言もしゃべらない少女と出会い、警察に届け出るが、結局自分の部屋に連れて帰ってしまう。
二つ目は海の見えないホテルの部屋でハネムーンを過ごすゲレンとマイケルの新婚カップル。
ちょうど二人はバティアの働く結婚式場で披露宴の真っ最中だったが、ゲレンがトイレから出られずドアの上から出た瞬間に足を骨折してしまう。
本来ならカリブ海のホテルでハネムーンを過ごすはずだった二人であったが、ドクターストップにより市内の海辺にあるホテルでハネムーンを送る事となる。
ただ、そのホテルは下水のニオイが漂い、夜は車の騒音でうるさく、しまいには海辺のホテルなのに窓から海が見えない。
さすがにマイケルは我慢ができず、フロントに掛け合って部屋を交換しようとするが、断れて部屋に帰ろうとした時に一人の女性は部屋を交換してくれるという。
その女性は一人でスイートルームに泊まっていたようで、妻であるゲレンはマイケルと女性の関係を疑い口論となって、マイケルは部屋を飛び出してしまう。
三つ目はフィリピン人ヘルパーのジョイと娘とすれ違ってばかりいるマルカの二人。
フィリピンから出稼ぎに来た介護ヘルパーのジョイは、舞台女優のガリアから退院する初老の母マルカの世話を頼まれる。
当然のように言葉が通じないフィリピン人をあてがわれたマルカは文句ばかり言って、ジョイは途方に暮れてしまう。
ジョイにとって故郷に残した息子と電話で話す事が唯一の安らぎで、一緒に過ごせない彼の誕生日に大きな船の模型を贈るのを楽しみにしていた。
マルカはコミュニケーションの取れない娘との関係に心を痛めていて、一方のガリアは舞台の事しか頭になく、結局母と娘はケンカばっかりになっていた。
ただ、そのガリアも小さい頃に母マルカから優しく抱きしめられた記憶がなく、甘えたくても甘えられない思いが二人の関係を悪くしていた。
三つの物語が共通するのは美しい海辺の街『テルアビブ』を舞台にしている事で、特に印象深いのは詩的に展開していくところでしょう。
やっぱり、本作は強烈なインパクトがあるワケじゃないが、全体に優しい感動を与えてくれる構造となっている。
で、そこにタイトルである『ジェリーフィッシュ』の意味を考えると、まず日本語では意味に漂う“クラゲ”を意味しますね。
クラゲという生物はフワフワと漂うだけ自力で移動もできないが、それは本作に登場する人物たちに言い換える事ができるでしょう。
登場人物たちは自力で人生を切り開こうとしても、そこには逆らえない社会という大きな波がある。
必死にもがいても物事は上手くいかない中でそれぞれの物語にいる登場人物たちは諦めずに頑張るが、結局は望み通りに物事が叶えられない。
残酷な運命を迎える彼らだが、本作はそれを優しい雰囲気で包んでおり、美しく見せていると分かります。
子供の頃に抱いた楽しかった思い出を大人になって追っても、それは簡単に叶えられない社会の厳しさを伝えている作品です。
しかし、どうしてもオイラ個人にはもの凄い面白いという印象はなく、メッセージ性が強いけど楽しめるモノじゃなかった。
ただ、このような芸術性を求めた作品が好きな人にとってはもの凄く楽しめると思いますよ。

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時々ある知らないタイトル。
危険臭が漂っているのは気のせい。

極限感染 バード・ハザード極限感染 バード・ハザード
(2008/12/12)
リシャール・ボーランジェ
イポリット・ジラルド

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個人的な評価
★☆☆☆☆

―あらすじ―
殺人ウィルスの脅威に翻弄される人々の姿を描いたパニックアクション。世界各国の都市で人々が未知のウィルスに感染し、次々と命を落としていく。ノルマンディーの町医者・アイーシャは、そのウィルスが鳥を媒介して感染することを付き止めるが…。

本作は2003年に公開されたパニックサスペンス映画です。
この作品はフランスにてテレビムービーとして放映され、その後DVD化しています。
タイトルから分かるように本作は世界中で猛威を振るった鳥インフルエンザがテーマとなっています。
オイラの中でウィルスによって人々が死ぬバイオハザードを描いた映画ですと、かなりの種類があると思います。
特に一番多いと思われるのは、謎のウィルスによって死者が生き返って次々と人間を襲っては食うというゾンビ映画でしょうか。
ウィルスを扱った作品でよく知られているのはゾンビ映画ですが、こちらはどうしてもゾンビがメインとなってしまっている。
単純にウィルスの感染による脅威を描いた作品ならば、オイラは強く『アウトブレイク』を思い出しますね。
派手なアクションこそないが、パニックの中で観客にもたらす緊張感はこういう映画が最も得意と思われます。
なぜなら、ゾンビ映画はファンタジー要素が強いけど、『アウトブレイク』のような映画は明日起きても不思議じゃないのです。
だから他人事として鑑賞できる一方、間近にある鳥インフルエンザがあるので、現実的な興味が湧いてくると思います。
最近はメキシコで起きた豚インフルエンザが世界中で流行し、日本でも感染者が見つかり、いよいよ他人事じゃなくなった。
14世紀のヨーロッパではペストが大流行して、全人口の三割が命を落としたというぐらいウィルスは恐ろしい。
しかも、現代では中世ヨーロッパとは比べ物にならないぐらい個人の移動距離が伸びていて、一部で流行してもあっという間に全世界へ広がってしまう。
人類を滅ぼすのは温暖化ではなく、もしかするとウィルスなのもかも知れない。それぐらい人類に対して脅威な存在なのです。
さて、本作は鳥を媒介に人へ感染する殺人ウィルスが発見され、フランスを中心に全世界の人類がパニックに陥っていく、そんな物語です。
とりあえず、この作品は英語圏で作られたモノじゃなく、フランス映画だという認識が必要となりますね。
オイラは何度かフランス映画を鑑賞していますが、どうしてもイメージ的には派手さよりも人間ドラマが中心となる。
確かに殺人ウィルスは広がっているけど、結局は物語の主要人物たちのドラマなどが中心となってしまう。
そんな風に予想をしながら鑑賞していましたが、結果としては「やっぱり」という一言が似合います。
殺人ウィルスの解明をしようとする主人公側の地道すぎる研究がメインとなり、とりあえず感染は広がっている程度の描写。
やはり、本作はフランス映画らしく、主人公を中心とした小さな物語が終始に渡って展開されていきます。
そうなりますと、この作品のジャンルはパニックなのにまったくと言っていいほど殺人ウィルスの脅威が感じられない。
なんだか最後までオシャレな“おフランス”の言葉やのんびりとしたテンポに殺人ウィルスが蔓延しているとは思えない穏やかさでした。
で、町医者のアイーシャは殺人ウィルスを媒介しているのが鳥だと分かり、ウィルス研究の第一人者であるルカ博士に協力を求める。
本作で唯一有名であるのはルカ博士を演じたフランスのベテラン俳優であるリシャール・ボーランジェです。
まあ、オイラは全然知らなかったのですが、フランスでは有名であって個性的な監督の作品に多く出演しているそうです。
比較となる『アウトブレイク』では主人公にはダスティン・ホフマンが演じていましたが、本作のリシャール・ボーランジェは雰囲気じゃ負けていない。
どうしてもオイラはフランスの現大統領であるニコラ・サルコジに似ているような気がしてなりません。
ただ、そこはベテラン俳優だけにテレビムービーであっても手を抜く事なく、最後まで渋い雰囲気で演じきっています。
しかしながら、本作は所詮テレビムービーという事でなんだかタイトルとは乖離した方向へと行っているような印象を受けました。
日常生活を普通に見せているような感じで、思い出したかのように殺人ウィルスの脅威を“とりあえず”描写しているような展開です。
まったく緊張感がない時点でパニック映画としてダメですし、サスペンス映画としても淡々すぎてつまらない。
でも、そこはフランス人という事で彼の性欲は殺人ウィルスが広がっていても関係ないようですね。さすがです。
しかも、殺人ウィルスの研究をしているはずなのになぜかルカ博士とアイーシャはアイスランドに行ってウィルス株を探すという。
なんだか方向性を見失ったような気がしてなりませんが、そこはウィルス研究の第一人者であるルカ博士の考えなので、ツッコミは入れちゃいけません。
この映画はパニックやサスペンスというよりはリシャール・ボーランジェがサルコジ大統領に似ていて、殺人ウィルスを発見した町医者は研究も大事だが、性欲を満たすのも大事という内容ですよ。

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ポチッと押すと毒の散布範囲が広がります
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